能・狂言 : 日本古典芸能と現代
横道万里雄, 小林責 著 能・狂言のこれまでの歴史的概略を経、戦後50年間の各流派の動向を解説したもの。 こういう本を待っていた。伝統芸能といっても、時代の流れを受けその摩擦の中で変遷していくものだということが良く分かる。しかも能においては良い意味でその新陳代謝が行われていると好意的に書いてある。狂言の部分もまた面白い。能よりはるかに大衆化が進み成功している。現在活躍する能楽師たちの活動指針や位置の概略を把握できる。 #
by exist2ok
| 2004-09-30 05:27
| 読書
9月22日(水)19:15
〈クァルテット・ウェンズデイ#33・SQ最前線〉 パシフィカ・クァルテット [シミン・ガナートラ/シッビ・バーンハートソン(Vn)、マスミ・パーロスタード(Va)、ブランドン・ヴェイモス(Vc)] 曲目: メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番イ短調作品13 エリオット・カーター:弦楽四重奏曲第2番(1959) スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」 実は4年ぶりとなるカルテットのコンサート。不案内なのが足が向かない一番の理由か、、、。この四人、上手い。文句のつけようがない。完成度の高い演奏を四重奏団できく機会が多いのには、一人でもなくオーケストラのように大人数でもなく、この4人という微妙さが良いのかも知れない。アンサンブルの精度と音の多彩な広がりのバランスがとれている。 カーターの四重奏曲は今回の来日で全曲演奏をするそうである。きいたのは二番だが、演奏は別としてこの曲にはあまり納得できていない。というのも、本来、曲自体で表現しなければならないものが、それ以前の舞台設定、テクストに流れ込んでしまっているからだ。 奏者間の距離をあける。各楽器は性格を持っている。曰く、第一ヴァイオリンは怒りっぽい性格で、、、云々。 本来、音楽は音楽そのもので語っていたはずだと信じたいが。まあ、派生的には音楽もふくむ”芸術”は神事・儀式から生まれているのだから、”そのもの”だけで享受される対象として存在していたわけではない。だから、音楽の要素が多いだけで他の手法も組み合わさっている”表現手段”はありうる。示唆的・象徴的な”表現”なのだろう。 しかし、それではどうしてこのぼくやあなたが”その”一表現家の主張に付き合わなければならないのか、という答えにはなっていないだろう。これはこういう事を意味しています、と指示したところで「ああ、そうですか」としかこちらは答えようがないからである。旧来の芸術はそこでセンサシオンに快楽を与えることを忘れていなかった。 ぼくが現代のマテリアルなだけの芸術(家)に否定的なのは、彼らの中では自我・自己主張が大勢を占めていてその個性の発揮という以上の何物ももうでてこない”浅さ”にある。それはつまるところ新奇さ以上のなにものでもない。それはすでに”倦怠”が裏側に張りついた”新しさ”なのではないか。 アンコールでピアソラの4 for TANGOがかかったが、偶然、メキシコできいてもいるラテンアメリカ四重奏団のCDに入っている。ピアソラが弦楽四重奏の為に書いた唯一の曲。 #
by exist2ok
| 2004-09-25 02:21
| 音楽
不覚にも風邪をひいた。
いきなり寒くなった日もあったので、そのせいかも。おばあちゃんにうつしたら大変だ。 喜多流の粟谷氏が産経学園で仕舞・謡講座を担当している。ワン・シーズンでは短いがはじめてみる。 一日の休みもないように仕事を配置してゆく。忙しさは無駄な思考から救ってくれる。と思いたいが、じつのところそうそう手痛い経験を忘れることは出来ないようである。油断すると後悔の念が頭を擡げる。ラ・ロシュフコーは5分の読書で紛らわせないことなど何もない、というが。 ウクライナで調べると、目に付くのが国際結婚とかメールでやりとりしている彼女(何故メールでしか繋がりがないのに恋人になれるのだろう?)がどーたら、という内容。美人を輸出している国な訳ですね。せいぜいカモられないように御用心。星の王子さまに言われるまでもなく、肝心な部分は目に見えなかったり、それほど美しくない場合が多い。日本から一歩外に出たら、欲望が剥き出しのブルータルな世界なのだと知ったほうがいいのです。傍目にも異常なほど”幸せ”か否かに執着する態度(観念的に、という点も重要)にも日本人の危うさは潜んでいるように思う。 #
by exist2ok
| 2004-09-19 01:30
| 雑感
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by exist2ok
| 2004-09-18 22:31
| お能
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