ラフマニノフ・フェスの閉会演奏会
と思ってたら、なにやら表彰式がはじまるのであわてたが、音楽院で勉強する学生の歌唱コンクール入賞者の表彰とお披露目演奏が前半部であった。その中に三人も中国人が混じっていたのは驚いた。ムゼッタのワルツ、カヴァラドッシのアリア、オ・ソレ・ミヨなど歌った。一位のウクライナ青年のバスは完璧。風格も備えていて、ロシヤ系は先天的にバスに向いているのかも。何人かラフマニノフの歌曲を歌った人もあり、フェスティバルにかこつけるだけの体裁は、一応とれていた。
で、とにかく驚いたことはこの学生たち、本当にうまかったこと。声の出し方、音程のつけ方、教わって身につけることのできる勉強は遺漏なく習得していた。まことに見事としか言いようがない歌唱だった。彼らの歌ったアリアに関して言えば、これを下回るプロの演奏はいくらでもあるほどレベルは高い。なぜなら登場人物の性格分析をもとにした感情表現だけがかれらに残された課題であるほど技術的に完成されていたのだから。 昨年日本で、付き合いから学生やセミプロの演奏会に何度か行ったのだが、演奏そのものについては時間の無駄以外の何ものでもなかった。ハリコフの学生が出来たことが芸大や武蔵野音大、桐朋学園といった大学の出身者がまったく出来ていない。あれではプロとして通用することは難しい。結局、「私、音楽勉強していました」と言いたがったり子供のお稽古事にピアノをさせたりする主婦や音楽事務所の雑用になったり、プロとして通用しないが未練が捨てられないためだけの中途半端な演奏会を開いてるフリーターになったりする。日本は本当にオナニーが盛んな国なのである。 そんな折にドイツでは日本人演奏家が姿を消しつつあるという読売だったかの記事を読んだ。韓国や中国の学生はオペラ天国はイタリアではなくドイツだということをかぎつけ若いうちから殺到している。一方、日本人は正しくない教育を続けてきてその間違ったくせが直せなかったり、すで年齢的に手遅れだったりで学校にすら入れないという。また、技術的にも未熟でせっかく日系所属歌手の紹介で歌劇場のテストを受けることができてもドイツでは他の候補者を選ばざるをえないほど能力がないのだそうだ。 日本はすべてにおいて斜陽国家の面影がちらつく。 すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた
by exist2ok
| 2005-06-11 23:21
| 音楽
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