![]() |
![]() |
音楽の話を。
当地ハリコフにはハルキフ・フィラルモニアというオーケストラがちゃんとある。詳しいことはまだロシヤ語が分からないし、表記がウクライナ語なので輪をかけて不明である。一応毎週土曜日18時からまともなクラシック音楽のコンサートをしている。
レパートリーは、二月からもらっている予定表をざっと見ても、シェエラザード、プロコフィエフの「古典」、ヴァイオリン協奏曲二番、ラヴェルのピアノ協奏曲、左手のための~、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第四番、ラフマニノフ交響曲第三番、サン・サーンスのピアノ協奏曲、動物の謝肉祭、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲、ブラームス交響曲第二番、モーツァルト交響曲第三十六番「リンツ」とまあ、まともと言っていいと思う。 これってロシヤの伝統なのだろうけど、始まる前に女の人が出てきて作曲のあらましとか曲の構成とかを簡単に説明してカッコよく演奏者を紹介する。ビデオで見たことあるけど昔なら「ナロードニィ・アルチースト・サヴェーツカヴァ・サユーザ、ほにゃらら」って具合に言います。 演奏の質になるとこれはしばしば結構奇妙な音がオーケストラのそこかしこから聞こえてくる。オーソドックスな曲を演奏するといっぺんで粗が見えてしまう(きこえてしまう)。 ところがユーリー・ヤンコという専任の指揮者がなかなかの名人で、この弱小オケからたまに結構ドッキリするような響きを引き出す。ロシヤの特質でもある例のジャーン、ドンデンガンデンという感じの豪快な音も健在なのだが、この指揮者はここぞと言うときに、音を纏め上げてギュルギュルって感じで猛突進かけたりできる。弱音の細部の詰めがコンドラシンみたいにちゃんとなっていないので(そりゃ無理か)、音楽が雑駁な感じがするのはもうしょうがないと言う気はする。ウ・クライナなんていうそもそも「隅っこのとこ」なんていう名前の国の、さらに地方の都市で演奏しているのである。これはもうやる気の全くない楽団をなだめてすかして練習してるのじゃないかと容易に推察される。お金があったら、お年寄りの団員には気持ちよく年金をあげて腕の確かな若い演奏者をつれて来れるのだろうけど。半分マフィアのにわか成金はこういう文化事業にお金を出すことは全くしないのでどうにもならない。自分に金があったらマーラーとショスタコーヴィチばかり演奏するオケにしてみたい。 そんな感じで今一なのにもかかわらずこのオケは専用のシンフォニー・ホールをちゃんと持っている。ところがこれもまた現在修理中であり、隣の(おそらく室内楽用の)小さいホールで演奏会は行われるものだから反響音がかなりデッドである。天井が低すぎる。前から十数列分しか席がなく、まあせいぜい三百人が限度という広さです。修理はいつ完了するのか不明、というか継続しているのかも不明。だって平日通りかかっても作業しているの見たことないもの。 文句のほうが多いのだけど、でもないよりまし(というかそれ以上のレベルではあるし)なのでたまに行きます。第三世界は芸術の値段が安いのが良いね。最高でも15グリブニャ(およそ300円ちょっと)。 あと、別の場所にはオペラ劇場もあって(これはちゃんと堅牢なつくり)日常的にバレエとかオペラとかやっている模様。今月はバレエばかりでしかも聞いたこともない作曲家の作品なので敬遠してます。二月はヴェルディのオペラとかちゃんとやってたのできいておけば良かったと少々後悔。しばらく通ってからいずれ報告書くつもりです。 すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた ■
[PR]
by exist2ok
| 2005-04-28 20:41
| 音楽
|
![]() |
カテゴリ
フォロー中のブログ
イオリのキエフに住んでる...
生きる歓び Plaisi... 中国古典から一言。のブログ 日 々 の 地 図 ・ ... にわとりとことりとわに 和訳太郎日記 Alohaりりぃ☆のメキ... 壺中庵明月記 世に倦む日日 世に倦む日日
ライフログ
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||
外部サイトRSS追加 |
||