国立劇場小劇場 12月文楽鑑賞教室
2004年12月7日(火) ~ 12月19日(日)
午前の部 11:00開演 午後の部 14:00開演 日曜 16:00開演 伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいひがのこ) 火の見櫓の段 解説文楽のたのしみ 義太夫節について 人形の遣い方 近松門左衛門=作 平 家 女 護 島(へいけにょごのしま) ─俊寛─ 鬼界が島の段 謡曲「俊寛」に想を得た作品はいろいろあり、少し前には芥川龍之介の短編「俊寛」をよんだが、今回の人形浄瑠璃(文楽というのは俗称なので、こちらが正式な呼び方)も原作を大いに換骨奪胎したダイナミックなものに仕上がっていた。お能では生き地獄でようやく生をつないでいるひねくれた人間が打ちのめされる絶望と悲嘆を陰鬱に描くが、文楽では人情と正義の徒としての俊寛僧都の像を打ち出した大衆好みでスケールの大きいものに仕上がっている。 赦免使が康頼と成経の恩赦を伝え、とりのこされた俊寛が嘆くところまでは同じ。ところがなんと別の赦免使が現れ俊寛も帰京を許されることが判明! 喜びも束の間、島での成経の女千鳥の同行が許されない。抗う三人は無理矢理船に乗せられ、後に取り残された千鳥は嘆き悲しみ死のうとする。そこへ俊寛が戻って身代わりに残ろうと慰める。赦免使の瀬尾から都に残した妻が清盛に殺されたことをしらされた俊寛は都へ帰る意味がなくなったと言うのだ。しかし瀬尾はその俊寛の身代わり案を撥ねのけ問答になるを境に物語りは急展開する。 隙を見た俊寛は相手の刀を抜き取り斬りつける。これで再び罪人となり、かわりに千鳥を船に乗せることが出来るというわけだ。手負いの瀬尾と体力の衰えた俊寛、この二人の斬り合いが続く。途中、千鳥が倒れた瀬尾を棒で叩いて加勢するシーンが笑いを誘うが、いかにも大衆好みな笑いで気持ちが良い。 ついに瀬尾の首を切った俊寛は、もう一人の赦免使丹左衛門に千鳥の乗船を承諾させ一人島に残る。遠ざかる船を見送る為によろよろと岩山にのぼり手を振る俊寛。岩山を登る足づかいのリアルさは、とても言葉では言表わせない。 己の決断とはいえ、寂しさと心細さで松ノ木にしがみつき手を振り叫ぶ。岩山全体が舞台正面にせり出してくる最後は圧巻。義太夫節のキリの部分のテンポと歯切れの良さだけでも味わってもらいたい。 ”思い切つても凡夫心(ぼんぷしん)、 岸の高見に駆け上がり、 爪立てて打ち招き浜の真砂に伏し転び、 焦れても叫びても、 哀れ訪(とぶら)ふ人とても、 なく音(ね)は鴎天津雁(かもめあまつかり)、 誘ふは己が友千鳥、 ひとりを捨てて、 沖津波、 幾重の袖や濡らすらん” すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた
by exist2ok
| 2004-12-09 13:20
| 芸能
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