すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた

カテゴリ:お能( 23 )

国立能楽堂 定例公演

2004年11月19日(金) 18:30

狂言 鳴子(なるこ) 石田幸雄(和泉流)
能   三輪 岩戸之舞(みわ) 香川靖嗣(喜多流)
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狂言では野村万斎が次郎冠者で出演する為か結構混んでいた。
__________
三輪()は金春流の定例公演で爆睡した経験あり。詩章が手元にあるのとないではおおちがいだ。今回は準備はそこそこ。
喜多流の香川師がシテを勤める。一、二度すでにこの人の舞台は見ているが特別に意識したことはない。しかし、今回は会場で謡教室のSさんと出くわし正統派との評価を引き出した。
前シテの面は「増」。装束は金と深草色の気品ある落ち着いた装い。香川師のハコビやセリフもインテンポ(滑らかであるのに型がきちっとしている)で超越した存在らしさが出ていた。この人も大仰なところはないが、只者ではない。
後シテの三輪明神が天照大神の天岩戸隠れを語る段の舞がみどころか。この日の面は小面か万媚か? 年若い女のものだったようだ。
天岩戸へ隠れる場面では扇で顔を覆う。そして出てくる場所ではなんと、はじめ杉の木に見立ててあった小屋の作り物に脇から一旦入ってそのまま正面から出てくる。能のこういう変幻自在な表現のもつ説得力は格別。少しも説明臭くない(むしろ極度に抽象化されていて分かりづらいのではと思い違いするほど)のに直感的に全てを悟らせてしまう高度な表現方法だ。


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by exist2ok | 2004-11-19 23:03 | お能

国立能楽堂 定例公演

11月10日(水) 開演時間 13:00

狂言 入間川(いるまがわ) 茂山千五郎(大蔵流)
能   天鼓 弄鼓之舞(てんこ) 杉浦元三郎(観世流)
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狂言は一番なじみのある茂山千五郎家。現千五郎に悪人風大名をやらせたら右に出る者がいないのではないかと思う。
___

中国を舞台にした唐物はけっこう面白い。人物の性格も日本人のそれとは違うことを明確に意識して作ってある。例えば、前シテの父親など自分も殺されるのではないかとビクついて哀れであるが、もし日本人であればここまで自分可愛さでおびえるような描写はすまいと思う。

地謡が、
「老いの歩みも足弱く、薄氷を踏むごとくにて、心も危うきこの鼓、打てば不思議やその声の、心耳(しんに)を澄ます声出でて、げにも親子のしるしの声、」
とうたい、シテは鼓を打ったあとバチを落としよろよろと後じさりしてシオルのだが、この様子が如何にも哀れを醸している。

後シテの天鼓の舞がみどころだった。関根祥六師の地頭が緩急自在を心得たものでクライマックスを一気呵成にきかせる。


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by exist2ok | 2004-11-10 21:28 | お能

12月23日の復曲能チケット

「箱崎」ゲット!
正面2列目1番。
今回は50回ほどダイヤルした時点で繋がって運が良いなぁ。

観世清和と松岡新平による今月末の解説も楽しみ。世阿弥作で唐物というのが?であるが、見てのお楽しみ。
_________________

今月28日の喜多流職分会のチケットを謡仲間の方から頂いた。
喜多流では存在していなかったという「鬼界島」は他流では「俊寛」。明夫先生がシテを演じる。他には「三井寺」と「枕慈童」とはじめての演目。暗記するほどは無理でも謡本の予習をおさおさ怠りなくしておきたい。
目黒の喜多能楽堂へははじめて行ってくる。


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by exist2ok | 2004-11-08 11:27 | お能

谷本健吾独立披露能

11月6日(土)正午開演 於 宝生能楽堂

能 清経恋之音取 清水寛二
狂言 杭か人か謡入 野村又三郎
能 卒都婆小町一度之次第 観世銕之丞
能 石橋 谷本健吾
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by exist2ok | 2004-11-06 22:34 | お能

粟谷能の会

10月10日 国立能楽堂 12:00
景清 粟谷菊生
狂言 仏師 野村 萬
能 砧 粟谷明生
能 船弁慶 真之伝 粟谷能夫
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粟谷菊生の景清。今日は再現芸術の素晴らしさを目の当たりにする一日だった。シテの菊生氏は正直なところ舞台に立つには衰えを隠せない。すり足すらままならぬ状態でほとんど鬘桶に腰掛けたまま。誰の目にもいつ倒れるかと思わせる心細さであった。しかし、なんと終わってみればこの演目を逆手にとって今日の彼でなければと思わせるものとなった。能の型としてはおそらく失格だろう。しかし、自身の衰えと能楽師としての面目をそのまま景清の零落と屋島の戦語りの矜持にシフトさせた。
つまり、身体がついていかないということがすでに計算されたうえでの演出になっている。これは己のプライドをかけた非常に危うい方法である。一つ間違えば、ただ老醜をさらしただけ、観客を同情させるだけで終わってしまう。ところが、菊生氏は屋島の戦語りで凄まじい気迫を発揮し、同情心を跳ね返してそのまま景清の誇り(ということは己の、でもある)の気高さへと転化してしまった。
能役者としての恐ろしいまでの執念が景清の人物像と等しく一体化し、ただ、うまいという役者では絶対に表現できない世界を開いた。再現芸術の面白さと怖さはここにある。型通りにどれほど完璧でもなにひとつ響いてこないものがあるかと思えば、杓子定規にみれば落第でも人を感動させるものもある。
ぼくはこの恥と矜持という背反する要素を抱えて存在する人間(景清=粟谷菊生)を強く感じ目頭が熱くなった。
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by exist2ok | 2004-10-10 23:06 | お能

国立能楽堂 普及公演

2004年10月9日(土) 13:00
平成16年度(第59回)文化庁芸術祭協賛

解説・能楽あんない 海士の珠取り 馬場あき子

狂言 左近三郎(さこのさむろう) 善竹忠一郎(大蔵流)
能   海士 窕(あま くつろぎ) 観世喜之(観世流)
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by exist2ok | 2004-10-09 23:05 | お能

銕仙会 定期公演

10月8日(金)18時 於 宝生能楽堂

能 兼平 観世銕之丞
狂言 神鳴 山本 則俊、 山本 則秀
能 葵上古式  浅井 文義
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木曽義仲と乳兄弟であり、巴御前の兄でもある今井四郎兼平を主人公にした修羅能。見せ場である兼平最後の場面は義仲と兼平が入れ替わりながら進行するが、幽霊が取り付いたとしか言いようのない異常な緊張感があった。一体、この人はどうなってるのだろう!? 顔の向きひとつで面に、戦の疲れ、諦め、憂愁、そして自刃に至る気迫が表れる。天才というよりも、なにか神憑りのような舞台をする人が銕之丞氏なのだ。幽霊が時空を超えてこの身体に降りてきて物語りする。劇中で夢幻能の仮構として行われているはずのことが、まさに目の前で起こってしまっている感覚。本来、ワキの僧の立場が見所の我々観客にスライドしている。
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浅井文義の”葵上”は前回の品川薪能と同じもの。しかし、大人数の中で雑然と遠くから望見するだけの薪能と違い、今回は脇正面の3列目から見ているので、橋掛かりに出た車がすぐ目の前にある。前シテの面は泥眼だがあまり魔物的な雰囲気はなく、むしろプライドの高いもの静かな女性というのがよく出ていた。
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by exist2ok | 2004-10-08 02:30 | お能

国立能楽堂 定例公演

2004年10月6日(水) 13:00
平成16年度(第59回)文化庁芸術祭協賛

狂言 鶏聟(にわとりむこ) 山本泰太郎(大蔵流)

能   松風(まつかぜ) 片山九郎右衛門(観世流)
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松風はまだ難しい。片山九郎右衛門の声はなんとも色っぽくて耳に心地よかった。ツレの片山 清司は息子。
今回、地謡には観世銕之丞、地頭には梅若六郎の姿が。地頭には銕之丞が良かったなぁ、と愚痴ってみる。

松風が汐汲み桶に映った月を掬う場面で俯いた瞬間のなんとも言えぬ色気が目に鮮やかだった。能面はじつに表情豊かなのだと再確認した次第。
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by exist2ok | 2004-10-06 10:24 | お能

金春会 定期能

10月3日(日) 12時30分開演
場所  千駄ヶ谷)国立能楽堂

番組
能 「三輪-三光」 高橋 汎
狂言  
能 「角田川」 吉場 廣明
能 「恋重荷本田 光洋
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by exist2ok | 2004-10-03 01:40 | お能

第12回 品川薪能

日時:10月1日(金) 開場17:30 開演18:00
会場:戸越公園

能 「高砂」観世銕之丞 (観世流)
狂言 「柑子」野村万作 (和泉流)
能 「葵上」浅井文義 (観世流)
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この時期夜はけっこう冷える。
群を抜いて目をひいたのは銕之丞の”高砂”だ。特に後シテの舞の凄まじかったこと! 公演全体で進行スピードが2~3割り増しくらいで、はじめ橋懸かりへワキが出たところでその異様な速さには気が付いたが、囃子も速い。普通にやったらこの演目では4時間に近くなるだろうか。休憩もなしで2時間半は見る方もしんどかった。

件の後シテの舞であるが、とにかく荒狂ったような勢いでそこに銕之丞の突き刺すような謡と厳しい舞い方で幽玄の美として、もしくは言祝ぎの舞として成立するにはあまりに鬼気迫っており、急ぎすぎた面があろう。しかし一場のスペクタクルとしては非常に魅せられた舞であった。
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by exist2ok | 2004-10-01 22:46 | お能



メキシコ、N.Y. L.A.そして現在はウクライナのハリコフ市に住むおがわがお伝えします。コメント・TB大歓迎です。どんどん絡んでくださいね。
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