すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた

ピナ・バウシュ「カフェ・ミュラー」

ぼくにはダンスのことは詳しく分からないが、彼女のダンスの大きな特徴である同時進行の動き、踊りの共時性には強くひかれる。これはクラシックの枷を離れたノイエ・タンツの必然的通過点であるとも思える。

彼女自身は解釈や一元的な意味を加えることを戒めているが、今回番組で述べた「愛の受容と苦痛」という言葉の一端から、そのイメージは推し量ることはできる。

ダンサー・俳優らは自分たちで役柄の特徴や性格などのかなり具体的なイメージを持っているようだが、それらの役柄は、例えばワーグナーの楽劇におけるライトモチーフによる性格づけとはまったく異なる性格のものだ。つまり、演者自身によるイメージは必ずしも全体において明確な立場を表明しているわけではないし、また、確固たる重要性を主張できているわけでもない。世界を構成する円環は円満に完結していない。

あるパーソナリティーはあくまで自己主張はするが、それは必ずしも彼・彼女以外の人物にとって意味を持っているわけではない。それぞれは「己の愛」を主張し、求めるわけだがそれは環境によって十分に受け入れられるわけではない。それがある規則性をもって繰り返される登場人物の動きに反映されている。


彼女のダンスは理解されないことの不安が同時に愛の希求であることの痛ましい表現のような気がしてならない。

NHK教育 芸術劇場 2006年8月13日(日)放送


【劇場中継】 22:33~23:17
●ピナ・バウシュ「カフェ・ミュラー」

<演出・振付> ピナ・バウシュ
<美術・衣裳> ロルフ・ボルツィク
<音 楽> ヘンリー・パーセル
<出 演> ピナ・バウシュ、ドミニク・メルシー ほか

ヴッパタール舞踊団
<収 録> 2006年4月14日 東京・国立劇場 大劇場

世界的な振付家、ピナ・バウシュの代表作で、本人が出演する唯一の作品、「カフェ・ミュラー」。カフェの簡素なセットの中で、六人の男女が、出会い、すれ違い、別れを繰り広げる。タンツテアターと呼ばれる独自の表現を切り開いてきたバウシュの原点でもある本作は、1986年初来日の際に上演されて、日本のダンス・演劇界に衝撃を与えた。日本での20年ぶりの上演を機に紹介する。

※ピナ・バウシュ 
(1940ドイツ生まれ、 ヴッパタール舞踊団芸術監督、振付家・ダンサー)

すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた
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by exist2ok | 2006-08-14 02:16 | 芸能
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メキシコ、N.Y. L.A.そして現在はウクライナのハリコフ市に住むおがわがお伝えします。コメント・TB大歓迎です。どんどん絡んでくださいね。
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