すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた

ミラン・クンデラ「生は彼方に」読了

多分に作家本人と重ね合わせている部分が指摘される本作である。再度になるが、この描写、まるで死体の皮を剥いでいく検死官のような淡々とした表現である。であるがゆえに最後の二章であっけなく死が明らかになる主人公の皮相さ空虚さ、そして間抜けぶりが際立つ。このような皮肉のために延々とこの大部の作品を書いてゆくこの作家をどう捉えればよいのだろう?

クンデラの描写自体にそれほど共通点があるとも思えないセリーヌの「夜の果てへの旅」読後に味わった感覚と同質の嫌悪感を覚えてしまうのだ。

そう、ぼくの嫌悪感の源は、この作家がかくも透徹した分析眼と全体へのパースペクティヴを持ちながら、主要な題材、テーマがあまりに貧弱であることなのだ。一人の偏向した少年の自我に、チェコの共産主義を支えた感傷的倒錯者たちに、皮肉を投げかけることがこの小説の価値なのだろうか(再三言うように、ほとんど全編を貫いて発揮される語り手の慧眼にもかかわらず、である)?


すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた
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by exist2ok | 2006-08-13 01:36 | 読書
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メキシコ、N.Y. L.A.そして現在はウクライナのハリコフ市に住むおがわがお伝えします。コメント・TB大歓迎です。どんどん絡んでくださいね。
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