すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた

国立能楽堂 企画公演

2004年12月23日(木) 13:00

おはなし  松岡心平
復曲能  箱崎(はこざき) 観世清和

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率直に言って、素晴らしい公演だった。今回のものは廃曲になってしまった元々の「箱崎」とは似ても似つかない代物であるに違いない。しかし、宗家の作った神功皇后の装束、囃子の出来は他の既存曲からはなかなか感じ取ることのできない見せ場の充満したものだった。出端やイロエでの高揚した囃子の激打ち。一般曲の公演でこれほど囃子方大活躍の場面にお目にかかることはないのではないか。

観世清和宗家は前シテの里女のときから声の出し方が女性的でないと感じたが、これはひょっとすると神功皇后が応神天皇を宿しながら韓半島遠征を指揮したというその豪気な性格ゆえかと思う。

元の天女之舞がどうであったかは現在では知る術がないが、復元されたこれもまた素晴らしかった。戒、定、恵の三学の妙文を忠岑に渡しながら舞う。次々と巻き物がひもとかれていくそばで天空を舞台に舞い飛ぶ天女の姿がそこにはあった。知り合いにきいたところ、「羽衣」の舞に類似しているとのことだった。橋懸かりの奥までずーっと退いていき、幕の手前で舞台を眺めながら扇を打ち仰ぐ。ぼくはこれを天空を突き抜け宇宙にまで飛び出したと感じた。それほど気宇壮大な舞だったのだ。
シテが飛び去ったあとを放心して見送るワキの虚脱感は見所も共有していた。というか、舞がはじまるといつのまにか見所はワキと同化しているのだ。
異質な空間が突如開けそしてその裂け目にはいと幻想的な世界が広がっている。そこからまた日常に戻される、この幻覚をみたようなトリップの感覚こそ能の世界なのだ。そんな幻覚など錯覚だというだろうか。それは能を見たことのない者の言う戯言である。


すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた
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by exist2ok | 2004-12-23 22:47 | お能
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