すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた

国立能楽堂 定例公演

2004年12月17日(金) 18:30
狂言「若市(にゃくいち)」
シテ茂山千之丞、アド茂山千五郎、茂山千作、立衆茂山宗彦、茂山逸平、茂山童司、佐々木千吉、丸石やすし

能「鉢木黒頭」
シテ近藤乾之助、ツレ今井泰行、ワキ宝生 閑、アイ茂山正邦ほか、地頭佐野 萌

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若市は茂山千五郎家の豊富な人材を惜しみなく使った一大スペクタクル。奇才千之丞=住持のいたずら心に満ちた嬲り方、千五郎扮する尼の悔しがり方、ともに役柄に嵌まり込んで分かりやすい舞台だった。後半、若市たちが住持と対決する場面では、地謡をバックに取っ組み合いという能のパロディー丸出し。住持と尼は武器を捨てくんずほぐれつの取っ組み合いでおおいに会場を沸かせていた。
残念なことは稽古不足か、各人セリフや謡の文句を間違えること甚だしく、集中力が弛緩しがちで雑駁な印象の舞台になってしまった。
アドの何某で登場した千作師の底抜けな声がとても印象的だった。

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宝生の特徴なのだろうか、言葉が空間に溶け込んでいくような謡いである。メロディーにのせきらずに言葉としての謡いを意識させる。そのことはツレの今井泰行師が旅僧を留めようとシテの常世を説得する場面で気づいた。

ワキ:あさましや我等かやうに衰ふるも、前世の戒行拙き故なり、せめてはかやうの人に値遇(ちぐ)申してこそ、後の世の便りともなるべけれ、然るべくは御宿を参らさせ給ひ候へ

「なるべ」でとめ、充分間を置いて「け~れ~」、「給ひ、、、」「そ~ぅらえ~」と続ける。そうと気づくと近藤師の謡いは沈黙のしじまに浸潤していく気品にみちた声であることが明瞭になった。落ちぶれ武士の気骨・矜持が物語の主題であるが、それよりも貧しさにも失わない気品を表現していたのが今回の公演だったといえるかもしれない。

余談だが、これは観阿弥または世阿弥の作と記録されているようだが、観阿弥はさておき世阿弥がこのように分かりやすく世俗的な作品を作るとは到底思えない。


すみっこ(ウクライナ)で見た、聞いた、考えた
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by exist2ok | 2004-12-17 22:14 | お能
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メキシコ、N.Y. L.A.そして現在はウクライナのハリコフ市に住むおがわがお伝えします。コメント・TB大歓迎です。どんどん絡んでくださいね。
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